滞納家賃や滞納水道光熱費がある場合の個人再生

こんにちは。司法書士の森野です。

「滞納家賃や滞納水道光熱費があるけど、個人再生をして大家に家を追い出されたり、水道・ガス・電気を止められたりしないだろうか？」と不安になるでしょう。

家賃や光熱費は生活に密接に関わる部分です。

したがって、家を追い出されたり、水道・ガス・電気を止められると生活ができなくなります。

そこで、今回は、個人再生をすると、滞納家賃や滞納水道光熱費はどうなるのかについて説明していきます。

家賃を滞納することなく支払っている場合は、個人再生をしても家を追い出されることはありません。

しかし、滞納家賃があるときに個人再生をする場合は、大家に家を追い出される可能性があります。

また、個人再生には、債権者平等の原則があり、特定の債権者だけに弁済することを禁じられています。

それでは、個人再生をする場合の滞納家賃はどうしたらいいのでしょうか？

再生手続開始前に滞納していた家賃については、再生債権に該当します。

再生債権に該当すると弁済禁止効が働き、再生計画に定めるところによらなければ、弁済をすることができません。

つまり、他の借金などと同じく、再生手続きの中で支払いをしていくことになります。

再生手続きの中で支払いをするとなると、減額された額を支払うことになります。

しかし、賃貸借契約違反で家を追い出される可能性があります。

このままだと、弁済もできずに家を追い出されるということになってしまいます。

何か、滞納家賃を解消する方法はないのでしょうか？

滞納家賃を解消するのに一番いい方法は、家族や親戚などの第三者に代わりに支払ってもらうことです。

滞納家賃を自分で支払ことも可能ですが、支払ってしまうと偏波弁済として、その分、個人再生手続きで支払う金額が増えてしまいます。

また、「バレないだろう」と思うかもしれませんが、申立てをするときに通帳のコピーを提出するのでバレます。

また、第三者に支払ってもらう場合でも自分のお金を渡して支払ってもらうのではなく、第三者の財産から支払ってもらうようにしましょう。

民法には、他の債権より優先して弁済を受けることができる「先取特権」という権利があります。

滞納水道光熱費については、再生手続開始前６か月分については、先取特権に該当します。

この先取特権は、個人再生において随時弁済を受けることができるとされています。

つまり、再生手続開始前６か月分の滞納水道光熱費については、随時弁済をしていいことになります。

また、水道光熱費については、滞納水道光熱費があることを理由に、個人再生手続開始後の水道、ガス、電気の供給をストップすることはできないとされています。