リンク債権回収から「訴訟予告通知」が届いたときの消滅時効の援用

ある日突然、リンク債権回収から「訴訟予告通知」が届いて、不安な思いをされていませんか？

リンク債権回収は、アプラスなどの債権を譲り受けて借金の回収をしています。

したがって、上記のような会社から借金をしていて、長年返済をしていない場合は、リンク債権回収に債権が譲渡されていることがあります。

しかし、リンク債権回収から「訴訟予告通知」が届いても、条件を満たせば、借金を消滅させることができます。

その方法が、「消滅時効の援用」です。

そこで、今回は、消滅時効の援用を取り扱っている司法書士が、リンク債権回収から「訴訟予告通知」が届いた場合の消滅時効の援用について説明していきます。

リンク債権回収から届く「訴訟予告通知」には、以下のような内容が記載されています。

「貴殿の別紙記載のご契約に関しまして、当社は話し合いによる解決を図るべく請求書及び相談通知書の送付等で接触を試みてきましたが、未だに解決に至っておりません。
こうした状況から誠に不本意ですが、裁判所へ訴訟を申し立てて法的手続きによる回収を行うほかありません。

当社は、今でも貴殿との話し合いによる解決を望んではおりますが、貴殿からご連絡がない現状に鑑み、今般、法的手続きによる回収の準備に着手せざるを得ないと判断致しましたので、その旨通知します。」

上記の内容を読むと「本当に裁判をされるの⁉」って思いますよね。

実際、放置をしていると、裁判を起こされる可能性があります。

しかし、ここで「何とかしないと」と焦って相手方に連絡をしないようにしましょう。

まずは、消滅時効の援用ができないかどうかを検討します。

消滅時効を援用し、消滅時効が成立すると、請求されている借金を支払わなくて良くなります。

しかし、消滅時効を援用するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

最初にも説明しましたが、焦ってリンク債権回収に連絡せずに消滅時効の援用ができるかどうかの検討をしましょう。

もし、連絡をしてしまって、支払いをする約束などをすると消滅時効の援用ができなくなる可能性があるので注意しましょう。

リンク債権回収から「訴訟予告通知」が届いた場合の対処法は、次のとおりです。

1. まずは、消滅時効の援用ができるか検討をする
2. 消滅時効の援用ができない場合は、債務整理を検討する

​以下で、詳しく説明していきます。

リンク債権回収から届く「訴訟予告通知」には、「返済期日」などの消滅時効の判断材料となる記載がありません。

したがって、ご自身のご記憶が判断材料となります。

ご自身のご記憶で最後の取引から５年以上取引がなければ、消滅時効の援用ができる可能性があります。

ただし、10年以内に裁判を起こされて判決が確定している場合は、消滅時効を援用できないので注意が必要です。

また、契約書や申込書のコピーが同封されていることがあるので、契約内容から計算をすることで大体の判断をすることも可能な場合があります。

もし、５年以上経過している場合は、司法書士や弁護士に相談をしてみましょう。

消滅時効が成立すれば、請求されている金額を支払わずに済みます。

また、リンク債権回収から届いた書類は、消滅時効が援用できるかどうかの判断材料の１つとなるので、相談される場合は持参しましょう。

消滅時効の援用をするための条件を１つでも満たさない場合は、消滅時効の援用ができないということになります。

「消滅時効の援用ができないのであれば、放置してもいいや」と思って放置をすると、遅延損害金が膨らみますし、裁判を起こされる可能性もあります。

このような場合は、債務整理（任意整理、個人再生、自己破産）を検討しましょう。

債務整理とは、借金の減額や免除、支払い方法の交渉などにより、生活の再建を助ける手続きとなります。

ご自身で債務整理をするのは、ハードルが高いでしょう。

したがいまして、債務整理をされる場合は、司法書士や弁護士に依頼することをおすすめします。

消滅時効の援用をご自身ですることは、おすすめできません。

消滅時効の援用をするためには、リンク債権回収に内容証明郵便で「消滅時効を援用する」旨の書類を送ります。

ネットでも消滅時効援用通知書の書き方や内容証明郵便の作成のやり方が載ってますが、調べるのに時間もかかりますし、間違った書き方をすると消滅時効の援用ができなくなる可能性もあります。

消滅時効の援用ができる可能性があるのなら、司法書士や弁護士に依頼をして安全に手続きをするほうがいいでしょう。

相談から解決までは、以下の通りです。

お客様より「リンク債権回収に対して消滅時効の援用をしたい」とお問合せを受けました。

今回は、リンク債権回収から「請求書」と「訴訟予告通知」が届いた案件でした。

また、請求額をみると、遅延損害金を含め３１万円ほど（元金２１万円ほど）となっていました。

お客様に届いた「請求書」と「訴訟予告通知」には、「返済期日」などが記載されていませんでした。

お客様のご記憶では、最後の返済からすでに５年以上が経過しており、裁判を起こされたご記憶もないとのことでした。

また、契約書のコピーからも最後の返済から５年以上が経過している可能性があると判断できました。

したがって、消滅時効の援用ができる可能性があると判断し、リンク債権回収に消滅時効の援用をする旨の内容証明郵便を配達証明書付で送付しました。

内容証明郵便がリンク債権回収に到達してから消滅時効の成立確認をしたところ、消滅時効を認めるとの回答をいただき、無事に消滅時効が成立しました。

今回、遅延損害金を含め３１万円ほど（元金２１万円ほど）請求されていましたが、消滅時効を援用することにより、債務が０円となりました。

何十年も返済をしていない場合は、請求額が数百万円になっていることがあります。

また、今回みたいに「訴訟予告通知」が届くと、「裁判をされるの⁉」って焦ると思います。

ここで、焦って相手方に連絡をしないようにしましょう。

相手方に連絡をしてしまって、支払いをする約束などをすると消滅時効の援用ができなくなる可能性があります。

まずは、冷静になって、消滅時効の援用ができるかどうかを検討しましょう。

ご自身で消滅時効の援用ができるかどうかを判断できない場合や消滅時効の援用を任せたい場合は、司法書士や弁護士に相談されることをおすすめします。